【大学受験】時間にとらわれない効率的な勉強法で短期間で成績UPを実現する方法
1日平日は4時間、休日は8時間勉強しなさい。
学校や通っている塾で勉強時間について指示された経験はありませんか。
多くの人が勉強はすればするほど成績が上がり、得に大学受験期は勉強時間を長く確保することが重要だと思い込んでいます。
しかしながら近年の研究を見ると、学習時間と成績の相関関係があまりないことがわかります。
引用:『ベネッセ・木村治生さん「学習時間より『学習方略』が成績に影響する」』
上の表は、東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所は、全国の小学1年生から高校3年生までとその保護者の約2万組を対象に、2015年から実施している「子どもの生活と学びに関する親子調査」の結果です。
学習方略と学校の成績には一定の相関が見られたものの、総学習時間と成績にはほとんど相関が見られないことがわかりました。
学習方略とは、「テストで間違えた問題をやり直す」など勉強への向き合いかたについての質問9項目から算出したデータを指します。
相関係数の解釈については以下の表を参考にしてください。
相関係数の絶対値 | 解説 |
0.0~0.2 | ほとんど相関関係がない |
0.2~0.4 | やや相関関係がある |
0.4~0.7 | かなり相関関係がある |
0.7~1.0 | 強い相関関係がある |
引用:『相関係数とは(解説)』
学習時間と比較し、勉強への向き合い方の方が成績に関与していることから、勉強する際は、やみくもに取り組むのではなく、作戦をたて、効率的に勉強することが非常に重要です。
勉強の効率化を図る際は、時間の使い方と、勉強手法の両面について修正すべきポイントはないかチェックするようにしましょう。
当記事では、タイムマネジメントと学習方法を改善する上で、中学生、高校生が導入を検討すべき施策について紹介します。
タイムマネジメントをする際のテクニック
勉強する際は勉強時間全てを有効活用するために、集中力が切れる前までに休憩を挟むことが重要です。
それでは、休憩のタイミングを意識してタイムマネジメントを実施するために何をすればよいのでしょうか。
タイムマネジメントする際に有効な施策の1つにポモドーロ・テクニックがあります。
ポモドーロ・テクニックを活用することで、集中力を切らすことなく、時間を有効的に活用することが可能です。
それでは、ポモドーロ・テクニックとはどのようなテクニックなのでしょうか。
ポモドーロ・テクニックは、集中力を最大化するために、仕事を 25 分ずつのセッションに分け、短い休憩をはさんで行う人気の高い時間管理テクニックです。
引用:『ポモドーロテクニック: チームの生産性を高める方法』』
一般的な手法では以下のようなステップで行います。
Step1. タスクの設定
学習する際は勉強時間にとらわれないことが重要です。
ここで設定したタスクが完了した場合であれば、数分の学習で終了しても問題ありません。
今日やらなければならないタスクを導き出し、それを完了させることを1日の学習の目標にしましょう。
Step2. 25分間集中して勉強する
注意点として、設定したタスク以外を思いつきで開始することを避けるようにしましょう。
人間の脳はマルチタスクに向いておらず、マルチタスクを行うことで脳へのダメージが懸念されるとともに、生産性が低下します。
シングルタスクと比較しマルチタスクは生産生が40%減少、作業ミスは50%増加するといったデータがあるほど、マルチタスクは非効率的な学習方法です。
引用:『マルチタスクは脳細胞を死滅させている?!「マルチタスク=優秀」は幻想』
そのため、25分の学習時間では、目の前の学習に対しての集中力を活用し、余計なことは考えないように心がける必要があります。
Step3. 5分休憩する
この際、動画やSNSなど5分で止めることが難しいものには極力触れないように注意しましょう。
コーヒーブレイクで疲れを癒したり、散歩するなど5分の最適な過ごし方は人によって異なるため、試していく中で自分に合った過ごし方を見つけていきましょう。
また、5分学習→5分休憩のことを1ポモドーロと言います。
Step4. 4ポモドーロごとに長い休憩をとる
ここでリフレッシュし、また25分学習→5分休憩の繰り返しに戻ります。
長時間集中力を持続可能なポモドーロ・テクニックを活用し、質の高い学習を実現しましょう。
ポモドーロ・テクニックを活用するメリット
- 密度の高い学習を実現できる
- 長時間学習した場合も疲れない
密度の高い学習を実現できる
人間の集中力はどの程度かご存知でしょうか。
医学的な見地では、40分と言われています。
参考:『人間の集中力の限界はどれくらいか?』
きちんと集中した状態で学習を進めるためには、適宜休憩をとる必要があり、自然と集中力が切れる前に休憩をとることが可能なポモドーロ・テクニックは非常に理に適った施策です。
常に集中した状態で学習することで、これまでの学習とトータルの学習時間が変わらなかった場合でも、理解力が高まったり、問題を解くスピードが高まったりと、効率アップにつながります。
長時間学習した場合も疲れない
ポモドーロ・テクニックの最大のメリットは、長時間勉強した場合でも疲れないことです。
学校で授業を受ける際、集中力が切れて時計を眺めたり、他所ごとをしている時間を長く感じた経験はありませんか。
一般的な学習方法と比較し、ポモドーロ・テクニック中は集中力が切れる可能性が低いことから、あっという間に25分経過します。
体感時間が短いことから、精神的な負担が軽く、長時間学習を進めた場合もあまり疲れを感じずに勉強し続けることが可能です。
ポモドーロ・テクニックを活用する際の注意点
- 25分以上勉強しない
- ずっと座り続けない
ポモドーロ・テクニック中は以上の2点に気をつけましょう。
25分以上勉強しない
問題が途中掛けになってしまったなどの理由で、25分を超えても勉強し続けることは避けるようにしましょう。
ストレスなく学習を進めるためには習慣化することが非常に重要です。
この記事を読んでいる方の中に、歯磨きをすることに対し、嫌悪感を抱く方はいますか。
多くの方にとって、歯磨きはすることが当たり前であり、歯を磨くことに対しストレスを感じる方は少ないです。
これは歯磨きが習慣化されていることが原因です。
習慣化されることでタスクのハードルを最小限に抑えることが可能です。
普段25分でポモドーロ・テクニックを活用している場合、これを延長し学習を進めることは習慣を壊すことにつながります。せっかく獲得した習慣を壊さないために、常に同じリズムで学習を進めることを心がけましょう。
ずっと座り続けない
座り続けることは心身にとってデメリットしかありません。
長時間勉強することが可能なポモドーロ・テクニックは思わず座りすぎてしまうリスクがあるため、間の5分休憩で体を動かすなど対策をしましょう。
参考:『「座りすぎ」はカラダにもココロにも悪い?
』
上の表は、1日に座る時間とメンタルヘルスにどのような関係があるかを示しています。
座る時間が長くなればなるほど、メンタルに影響を及ぼしており、1日12時間以上座っている人は、6時間未満の人と比べて、メンタルヘルスが悪い人が3倍も多いことがわかりました。
また、座りすぎは身体への影響も大きく、1日8時間以上座っている人は、3時間未満の人と比べて、死亡リスクが1.2倍になるという研究結果もあるほどです。
長時間集中しやすいポモドーロ・テクニックですが、座りすぎに注意し学習を進めるようにしましょう。
勉強を進める上でのテクニック
- 暗記する際は広く浅くテンポ良く
- 問題演習を行う際は解く時間以上に見直しの時間を使用する
暗記する際は広く浅くテンポ良く(英単語・古単語・社会科目等)
暗記をする際は、24時間以内の復習と、1週間以内の復習を徹底する必要があります。
1度の学習で何も復習しなかった場合、人間は1週間で学習した内容の77%を忘れてしまいます。
1週間後少しでも多く記憶を保持するために24時間以内の復習を徹底し、また、1週間記憶していた内容をさらに長期間記憶するために1週間後に復習を行うことで効率よく知識を蓄えることが可能です。
引用:『記憶を定着させたい! 効果的な復習のタイミングを医学博士が解説[社会人の勉強法]』
それでは頻繁に復習を行いつつ、幅広い範囲をカバーするためにはどのように学習すればよいのでしょうか。
この問題は1度に広い範囲を完璧主義になりすぎず取り組むことで解決することが可能です。
完璧に覚えようとするとした場合、1つ覚えるのに時間がかかってしまい1度に幅広い範囲を確認することができません。
1単語あたり30秒までなどルールを設け、数多く確認することに重きを置いた学習方法でスピーディに暗記を進めることで、結果的に何度も復習することにつながり、長期記憶することにつながります。
問題演習を行う際は解く時間以上に見直しの時間を使用する(数学・物理等)
もし、問題を解く時間が学習時間の大半をしめ、丸つけとミスの確認に時間をかけることができていない場合、勉強時間を無駄にしている可能性があります。
問題演習を行う目的は、自分がわからない問題を炙り出すことです。
1教科書を読んだだけでは、どこを理解できており、どこが理解できていないか把握することは難しく、問題を解き、わからない部分や間違えた部分を確認することで自らの立ち位置を把握することが可能です。
わからない問題をじっくり考えることで培われるスキルもありますが、基本的には解くことに時間をかけすぎず、わからない問題は解説を見て確認することをルーティンとすることで、短期間で多くのスキルを習得することが可能です。
特に受験期は膨大な範囲を学習する必要があるため、効率よく学習することが重要です。
あくまで目安ですが、数学の場合、黄チャートもしくは青チャートを一冊完璧に回答できるようになるまでは、解くことに時間をかけすぎてしまうことを避けるべきであると考えています。チャート式は実力試しをするための問題集ではなく、数学の難問に取り組む前に数学的思考方法を頭に叩き込むためのテキストです。そのため、チャート式までは暗記科目と同じように周回速度を意識し、赤本や、問題精巧などの実力試しのテキストに移行後、問題演習に時間をかけることを推奨します。
チャート式について詳しくは以下の記事を参考にしてください。
『チャート式の使い方を紹介!9種類を活用し大学受験を攻略!』
また、解答の確認完了後、もう1度同じ問題を解き直すことは非常に有用な施策です。
1わかった気になっていただけで実は理解しておらず、本番で同じミスを繰り返すリスクを抑えることにつながるため、特に数学や物理では、解き直しに時間を使うことを推奨します。
まとめ
時間を有効活用するためにポモドーロ・タイマーを活用したり、回転効率を意識した学習を行うなど、効率よく暗記できる手段を用いて学習を進めましょう。
また、丸つけ、確認の時間を多く取ることで根本から内容を理解することが可能です。
時間に縛られない学習でストレスのない勉強を目指しましょう。