長期間の受験を乗り切れ!!受験期で体を動かすメリットとおすすめの運動方法
「勉強のしすぎで体がだるい……」
「勉強への集中が続かない……」
というようなお悩みはないでしょうか。
効率よく勉強するためには、ただ勉強時間を長くするだけでなく
運動してリフレッシュすることも重要になってきます。
上記で述べた効率の良い勉強とは、結果につながる勉強をするということです。
集中力が半減したままダラダラ勉強しても、内容が頭に入ってこないので、
試験で勉強したことが思い出せなくなります。
そこで、体を動かし、集中力を高め、記憶力を良くしていきましょう。
当記事では受験中の運動がなぜ勉強面にも効果的なのか、
また、おすすめの運動方法について紹介します。
受験期の運動が勉強にも効果的な理由
記憶力が良くなる
筑波大学の研究では、10分間の中強度の運動を行うと記憶力が上がることが実証されています。
同大の征矢(そや)英昭ヒューマン・ハイ・パフォーマンス先端研究センター長らによると、学生ら36人に10分間自転車をこぐ運動をしてもらった後、約600枚の絵を見せて、同じものを判別するテストを実施。テスト中の脳をMRIで撮影し、記憶や学習機能を担う海馬の活動レベルを測定した。
正答率を運動した時としなかった時で比べると、運動した直後が平均36・9%で、安静時の同31・4%より5・5ポイント増加していた。同時に、海馬の「歯状回(しじょうかい)」と呼ばれる情報の入り口に当たる部位をMRIで測定したところ、目立って活性化していることが確かめられたという。
したがって、運動をすることで暗記力がしやすくなります。
英単語や文法、数学の公式、歴史などが覚えやすくなり、勉強の効率も上がります。
集中力が上がる
運動を行うことで睡眠の質が上がるという効果も筑波大学の研究で実証されています。
健常な成人男性を対象に、最大酸素摂取の60%強度の運動を1時間行った場合、その後の睡眠において、主観的な睡眠の質には低下傾向が見られました。しかし、エンベロープ解析で深睡眠を評価したところ、δ波が大幅に増加し、また睡眠初期の深睡眠の安定性が強くなっていました。
すなわち、比較的激しい運動は、主観的な睡眠の質は改善しないものの、客観的には、より安定した深い睡眠を誘導することが明らかになりました。また、運動することが、全体的な睡眠時間の短縮と、特に睡眠前半における深睡眠の強化や安定化をもたらすことが確認されました。
このことから、運動を行うことにより、質の良い睡眠がとれ、より短時間で効率よく睡眠要求を満たすことができる可能性が示唆されました。
『TSUKUBA JOURNAL 運動は深い睡眠の質を向上させる
〜δ波の安定性を検証する睡眠脳波の新しい解析法〜』から引用
睡眠の質を上げることで、脳のダメージを効率よく回復することができます。
よって、脳のパワーをフル活用できるようになり、
勉強への集中力が高まることが期待されます。
また、睡眠の質を向上させることで、短時間の睡眠で脳と体の疲労が回復できます。
結果として、睡眠時間が減り、起きている時間が長くなるので、
勉強時間の増加につながります。
おすすめの運動方法
ランニング
ランニングは心肺機能と最大酸素摂取量の向上が期待でき、
脳に送られる酸素量を増やすことができます。
脳に送る酸素を増やすことで、集中力を高めることができます。
逆に脳への酸素が不足すると集中力が低くなります。
集中力を高めることで、暗記しやすくなったり、
計算が早くなったりして、効率の良い勉強をすることができます。
実際、有酸素運動が英単語記憶に対して、良い影響を与えることがわかっています。
本研究では、これらに加わる新しい学習増強の方法として、有酸素運動を利用した英単語暗記法を提案する。従来の研究から、有酸素運動が脳の認知機能を改善することが明らかになっている。本研究は、この知見に基づくものである。有酸素運動の方法としては、場所を取らず、危険性も少ないステッパを用いる。英単語の暗記は、スマートフォンのフラッシュカードアプリを用いて行う。本手法の有効性を検証するために、実験参加者10名を対象として実験を行った。
暗記の1日後、3日後、1週間後にテストを行った結果、1日後には有酸素運動による差が認められなかったものの、3日後では7パーセント、1週間後では6パーセント、正答率が向上した。また、この差は統計的に有意であることを確認した。
『有酸素運動が英単語暗記に及ぼす影響の確認』から引用
また、体力をつけることで本番までの体調管理がしやすくなったり、
長時間の試験を受けるスタミナを上げたりすることができます。
より運動強度を高めたい方には、インターバル走がおすすめです。
インターバル走は、全力ダッシュと緩いジョグを
交互に繰り返すランニング方法です。
そのため、同じペースを維持するランニングよりも
心肺機能に大きく負荷をかけるため、
心肺機能と最大酸素摂取量をさらに向上させることができます。
ストレッチ
勉強中は、長時間同じ姿勢をキープします。
そのため筋肉が固まり、疲労感も増えることになるでしょう。
また、同じ姿勢をキープすることは心にも負担がかかります。
よって、ストレッチをすることで筋肉をほぐし、
疲労感を減らし、勉強へ集中できる状況を作り出すとともに、
気分転換をして、長期間の受験勉強を乗り切りましょう。
以下では、勉強するときによく凝り固まり、
ストレッチすることをおすすめする部分を紹介します。
目
勉強中は目を一点に集中しているので、眼球があまり動きません。
そのため、眼球の周りの筋肉がこわばってしまい、疲労が溜まります。
悪化すると眼精疲労となります。
眼精疲労とは、目の疲労が全身に周り、
肩こりや頭痛などの症状が表れるようになります。
眼精疲労になると、なかなか疲労が取りづらくなります。
目と脳は位置関係上、近いところにあるので
目の疲労は、脳にダメージがいきやすくなります。
目の周りの筋肉をほぐしたり、眼球を動かしたりして、
脳へのダメージを減らしましょう。
腰
勉強中は長時間、座っています。
実は、立っている状態よりも座っている状態の方が腰に負担がかかります。
また、勉強に集中するあまり、姿勢も歪んでいきます。
よって、長時間の勉強は腰にとても負荷をかけることとなり、
腰痛になる可能性があります。
手
勉強中はたくさん文字を書くことになるでしょう。
もちろんシャープペンシルを持つ手も疲れます。
そのため手をストレッチするのも
受験中の良いリフレッシュとなるでしょう。
また、手には合谷と中衝という眠気覚ましのツボがあり、
眠くなった時にそのツボを押すと、その後の勉強に集中することができます。
合谷は、親指と人差し指の間、手を広げた時に
2本の指の骨が接する部分の少し指先側にあります。
手の甲をつかむようにして、反対の手の親指を合谷のツボに爪を立てて当てます。
そして、人差し指の方向に徐々に力を入れて押しましょう。
中衝は、中指の爪の人差し指側の生え際から、
2mm程度下にある部分のことです。
反対の手の親指と人差し指でつまみ、
イタ気持ちいい程度に強めに押します。
手を押すだけなので、周りの目が気になる授業中でも
眠気覚ましに活用できます。
まとめ
最後に、この記事をまとめます。
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受験期の運動が勉強にも効果的な理由
- 記憶力が良くなる
- 集中力が上がる
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おすすめの運動方法
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ランニング
- 心肺機能と最大酸素摂取量の向上により、集中力や記憶力が上がる。
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ストレッチ
- 目や腰など勉強で使う筋肉をほぐして、疲労の蓄積を減らす。
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ランニング
受験は長期戦です。
ただやみくもに勉強だけすると、試験本番まで持ちません。
勉強時間を圧迫しない程度の短時間の運動でリフレッシュすることで
長い戦いを乗り切るとともに、集中力や記憶力を高めて効率の良い勉強をしましょう。