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【2026年度開校】公立中高一貫校!西尾高校付属中学校について紹介!国際バカロレア教育とは?

【2026年度開校】公立中高一貫校!西尾高校付属中学校について紹介!国際バカロレア教育とは?

2022年11月28日に、大村愛知県知事が公立中高一貫校の第二次導入校について発表しました。
第二次導入校については以下の通りです。

類型タイプ導入校
探究学習重視型SSH(スーパーサイエンスハイスクール)実施校豊田西高等学校(豊田市)
時習館高等学校(豊橋市)
地域の教育ニーズ対応型グローバル探究実施校西尾高等学校(西尾市)
不登校経験のある生徒の能力、可能性を引き出す学校日進高等学校(日進市)
外国にルーツのある生徒の能力、可能性を引き出す学校西三河地区の外国人生徒選抜実施校を中心に検討
高度ものづくり型地域を支える人を育てる学校美和(みわ)高等学校(あま市)
AI・データサイエンスに興味・関心をもつ生徒の能力、可能性を引き出す学校愛知総合工科高等学校(名古屋市千種区)

引用:『【知事会見】中高一貫教育の第二次導入校の決定及び「愛知県 中高一貫教育導入方針(案)」に対する意見募集について

これらの中高一貫校は2026年度から開校され、現在の小学3年生から入学可能です。
第一次導入校と合わせ、合計10校の中高一貫校の設立が決定されており、入学を検討している方も多いのではないでしょうか。

愛知県西尾市にある西尾高等学校では、グローバルな人材育成を目的とした中高一貫校を設立します。

今回は、第二次導入校の1つである西尾高校附属中学について紹介します。

「かみまち個別指導塾」では、2023年1月より、愛知県公立中高一貫校対策講座を開講します。開講に伴い、個別で中高一貫校についての説明会を実施しています。
興味のある方はこちらからお申し付けください。

公立中高一貫校の狙いとは?

チェンジメーカーの育成

公立中高一貫校の最大の狙いは、「チェンジ・メーカー」の育成です。

貧困問題の解決などに取り組む「フリー・ザ・チルドレン・ジャパン」はチャンじメーカーについて以下のように説明しています。

チェンジメーカーとは、社会の課題を自分ゴトととしてとらえ、自分を変えて社会に変化を起こす人。 社会には貧困格差、差別、環境破壊、紛争など、解決しなければならない課題があります。「自分には世界を変えるなんて無理!」と、感じているかもしれないけれど、そんなことはありません。フリー・ザ・チルドレンを12歳で設立したクレイグのように、「子ども・若者だからこそできることがある」と私たちは信じています。

チェンジメーカープログラムの紹介-フリー・ザ・チルドレン・ジャパン

チェンジメーカーは課題解決に向けて常に努力し続けられる人のことです。12歳から18歳までの多感な時期に課題解決に向けてトライし続けられる環境に身を置くことで、卒業後、世界を切り拓き、日本を支える人材を育成できます。

一般的な中学校の場合、自発的ではなく、受動的にやらなければならないさまざまなタスクがあります。中でも最もリソースを割くタスクが受験勉強です。中学3年生の多くは少しでも学力の高い高校へ進学するために受験勉強に励みます。

中高一貫校であれば、高校進学を目的として学習する必要がなく、自身が不思議に思ったことや学びたい内容を徹底して追求できます。

地域の学校の中心的存在

子供人口の減少に伴い、それぞれの学校に入学する難易度は低下傾向にあります。特に人口の少ない地域の高校であれば、努力せずともトップ校に合格できてしまうケースも珍しくありません。

2022年4月1日現在の子供の数は過去最少の1,465万人で、41年連続の減少、また出生数は1899年の観測史上初めて80万人を割り込みました。

今後も出生数の減少は継続する見通しで、2052年には50万人を切ると予想されています。

引用:『出生数50万人割れ、政府予想より20年前倒しとなる可能性小黒一正教授の「半歩先を読む経済教室」

こういった背景から、地域の優秀な児童を中学入学時点でかき集められる公立中高一貫校は非常に有用です。

西尾中学で導入予定の国際バカロレア(IB)とは?

引用:『IBとは | 文部科学省IB教育推進コンソーシアム

国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する国際的な教育プログラムのことです。文部科学省は、国際バカロレアについて以下のように述べています。

国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)は、1968年、チャレンジに満ちた総合的な教育プログラムとして、世界の複雑さを理解して、そのことに対処できる生徒を育成し、生徒に対し、未来へ責任ある行動をとるための態度とスキルを身に付けさせるとともに、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルートを確保することを目的として設置されました。
現在、認定校に対する共通カリキュラムの作成や、世界共通の国際バカロレア試験、国際バカロレア資格の授与等を実施しています。

引用:『IBとは – 文部科学省IB教育推進コンソーシアム

令和4年5月時点で世界159以上の国・地域の約5,500校で実施されています。

国際バカロレアの教育プログラムとは

国際バカロレアは、年齢ごとに最適な教育プログラムを提供しており、以下のように分類されています。

PYP(プライマリー・イヤーズ・プログラム)3歳~12歳対象のプログラム
MYP(ミドル・イヤーズ・プログラム)11歳~16歳対象のプログラム
DP(ディプロマ・プログラム)16歳~19歳対象のプログラム

西尾高校附属中学ではMYPに基づき学習をすすめ、西尾高校進学時からDPに移行していくことが予想されます。

MYPとDPで学習する内容については以下のとおりです。

MYP

MYPはDPに向けた基礎学習を行います。教科間の関連性を重視し、生徒が興味・関心を持てるように教育が行われ、学習内容では自国の文化や歴史などについての理解が深まるようなカリキュラムが設定されています。国際社会の中で効果的なコミュニケーションが第二言語でもできるように英語学習に力を注ぎます。

DP

学習意欲の高い生徒を対象に、高等学校の最後の2学年間に履修するプログラムです。履修後、国際バカロレア統一試験に合格することにより、ディプロマ資格が授与されます。ハーバード大学、エール大学、ケンブリッジ大学など、世界トップクラスの大学をはじめ、海外の多くの大学がこのディプロマ資格を入学許可、あるいは進学資格として認定しています。

参考:『MYP・DPとは|国際バカロレア(IB)クラス – 玉川学園

国際バカロレアのディプロマ資格の扱い方については現在、国や大学ごとで異なり、最終試験の成績のみで合格できる大学もあれば、成績とともに、小論文、面接などを総合して選抜を行っている大学もあります。近年、国内外問わず、大学の入学者選抜において国際バカロレア・ディプロマ資格の成績を活用する動きが広がっていることもあり、海外の大学への進学を検討している場合は国際バカロレアを活用しない手はないほど優れた制度です。

参考:『水都国際高等学校/グローバル探究科

国際バカロレアの学習者像とは

国際バカロレアでは、国際的な視野をもつ人間の育成を達成すべく以下のような学習者を理想としています。

探究する人

好奇心旺盛で、探究し続けられる者を理想とし、継続した学習の中で研究するスキルを身につけます。学び方はさまざまであり、一人で学習する場合もグループで学習する場合もあります。熱意をもって学び、学ぶ喜びを感じ続けられる者が理想です。

知識のある人

概念的な理解を深めて活用し、何かの分野を専門で学習するのではなく幅広い分野の知識を探究します。例えば、SSHの場合、化学や数学だけでなく、論文や外国人学生との交流で必要な英語などの多言語の学習も重点的に実施します。地域社会だけでなくグローバル社会における重要な課題に挑戦できる者を理想とします。

考える人

複雑で難解な問題を分析し、合理的な行動をとるために、批判的かつ創造的に物事を捉え分析するスキルを活用します。率先して理性的で倫理的な判断を下せる者を理想とします。

コミュニケーションができる人

複数の言語やさまざまな方法を用ることで誰に対しても自己表現できる能力を身につけます。また、自分のことだけでなく相手について深くまで理解するように努められる人物を理想とします。

信念をもつ人

誠実に公正な考えと強い正義感をもって行動できる者を理想とします。あらゆる人々がもつ尊厳と権利を尊重して行動し、私たちは、自分自身の行動とそれに伴う結果に責任を持つことを徹底します。

心を開く人

自己の文化と個人的な経験の真価を正面から受け止めると同時に、他者の価値観や伝統の真価もまた正しく受け止めます。多様な視点を求め、価値を見いだし、その経験を糧に成長しようと努めます。日本の歴史や文化について多言語で学習するカリキュラムを導入している学校も多いです。例えば、沖縄県にある沖縄附属高校・附属中学校については歴史の授業を英語で実施しています。

首里城

参考:『国際文化科学コース(国際バカロレア) – 沖縄尚学高等学校

思いやりのある人

思いやりと共感、そして尊重の精神を示します。国際バカロレアのカリキュラムではグローバルに活躍する人材の育成を目指します。人の役に立ち、他の人々の生活や私たちを取り巻く世界を良くするため行動できる思いやりある者を理想とします。

挑戦する人

不確実な事態に対し、物事について深くまで追求し、獲得した決定に対して真摯に向き合える者を理想とします。ひとりで、または協力して新しい考えや方法を探究します。挑戦と変化に機知に富んだ人物を目指します。

バランスのとれた人

自分自身や他の人々の幸福にとって、私たちの生を構成する知性、身体、心のバランスをとることが大切だと理解しています。国際バカロレアでは言語だけでなく幅広い学問に対して向き合います。中には芸術の科目もあり、幅広い物事に対して知見のある者を理想とします。

振り返りができる人

世界について、そして自分の考えや経験について、深くまで考察します。人間にはそれぞれ長所と短所があり、きちんと把握できており、また長所や短所にきちんと向き合える者を理想とします。

参考:『IBの学習者像

国際バカロレアのディプロマ資格の取得方法

国際バカロレアで海外の学校に進学する際に必要なディプロマ資格は以下の条件をクリアする必要があります。

  • 6つの科目群、Group1~6の中からそれぞれ1科目ずつ、合計6科目選択します
  • 科目ごとにSL (Standard Level)とHL(Higher Level)の2種類存在し、6つの科目のうち3~4科目はHLで単位を取得する
  • コア科目を履修する

6つの科目群(Group1~6)とは

Group科目内容
1Studies in language and literature第1言語
2Language acquisition第2言語
3Individuals and societies経済、地理、歴史、心理学、文化人類学など
4Sciences生物、物理、化学、スポーツ健康科学など
5Mathematics数学
6The artsダンス、音楽、演劇、美術など

基本的には以上の6グループから1科目ずつ選択し受講することが一般的ですが、Group6については選択せず、6教科目として任意の別グループからもう1科目を選択することが可能です。

大学によってはGroup3やGroup4について2科目以上履修していることが入学条件になっている場合もあることから、履修登録する際には注意するようにしましょう。

Group1(母国語):Japanese A Language and Literature HL

母国語について学習することが一般的です。
英語など母国語以外の言語が得意な場合は母国語以外を履修することも可能です。

Group2(外国語):English B HL

日本人の多くは英語について学習します。
フランス語やスペイン語について履修することも可能ですが、中学卒業レベルの技能を持ち合わせていることを前提にカリキュラムが組まれているため、初めて学習する言語を履修しないように注意しましょう。

Group3(社会科学):Geography SL

日本では社会に該当する科目です。

  • 歴史(History)
  • 地理(Geography)
  • 経済(Economics)

以上のような科目について学習します。

Group4(自然科学):Biology SL

日本では理科に該当する科目です。

  • 物理(Physics)
  • 生物(Biology)
  • 化学(Chemistry)

以上のような科目について学習します。

Group5(数学):Mathematics SL
  • Analysis and Approaches (AA)
  • Application and Interpretation (AI)

以上の2科目から選択し、履修します。
AAは純粋数学に近く、AIは統計学を重視した学問です。

Group6(芸術またはGroup3,4からもう1科目):Economics HL

Visual ArtやMusicといったスタンダードな科目から、TheaterやFilmといった日本の学校ではあまり馴染みのない科目まで様々です。

学校によって特色が出る場合も多いことから、学校選択をする際にはシラバスで確認するようにしましょう。

参考:『IB(国際バカロレア)ってなにを勉強するの?経験者が教えます!

SLとHLとは

科目ごとにSL (Standard Level)とHL(Higher Level)の2種類存在し、一般的に3グループについてはHLを履修する必要があります。SLとHLは学習時間が異なり、SLが150時間分の授業で履修できるのに対し、HLは履修までに240時間分の授業を必要とします。

コア科目とは

コア科目とは以下の3科目のことを指します。

  • Theory of Knowledge(TOK、知識の理論)
  • Extended Essay(EE,課題論文)
  • Creativity, Activity & Service(CAS、創造性・活動・奉仕)
Theory of Knowledge(TOK、知識の理論)

生徒が関心のある研究分野について個人研究に取り組み、研究成果を4,000語(日本語の場合は8,000字)の論文にまとめる。

引用:『DP(ディプロマ・プログラム)
Extended Essay(EE,課題論文)

「知識の本質」について考え、「知識に関する主張」を分析し、知識の構築に関する問いを探求する。批判的思考を培い、生徒が自分なりのものの見方や、他人との違いを自覚できるよう促す。

引用:『DP(ディプロマ・プログラム)
Creativity, Activity & Service(CAS、創造性・活動・奉仕)

創造的思考を伴う芸術などの活動、身体的活動、無報酬での自発的な交流活動といった体験的な学習に取り組む。

引用:『DP(ディプロマ・プログラム)

採点方法について

引用:『IB(国際バカロレア)とは?しくみ、科目選択、大学受験について解説します!

国際バカロレア資格の取得には、DPカリキュラムを全て履修し、外部評価(国際バカロレア試験等)及び内部評価を通じて、45点満点中、原則として24点以上を取得する必要があります。
配点は、6科目につき各7点(計42点)。さらに、必修要件(「コア」)について、TOKとEEの評価結果の組み合わせに応じて最大3点が与えられます(CASは評価対象外)。
国際バカロレア試験は、南半球と北半球の学校年度に対応できるよう、年2回、世界で一斉に実施されます。日本の1条校の場合は、原則として3年次の11月に実施され、翌年の1月5日に最終スコアが通知されます。なお、国際バカロレア試験の出題例(サンプル)は、以下リンク先から閲覧可能(ただし、英語)です。

Sample exam papers

まとめ

これからの将来を担う人材になる上で西尾高校附属中学への入学は効率的です。国際バカロレアと呼ばれるカリキュラムにより海外の大学への進学ができる点や、西尾市内や近郊に住む学力に優れた仲間と切磋琢磨しながら過ごす6年間で大きく飛躍するチャンスです。

西尾高校附属中学への入学は開校が2026年度であるため、2023年度時点で小学3年生もしくはさらに下の学年から受験することが可能です。

チャンスがある皆さんはぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

また、現在小学4年生の方は西尾高校附属中学へ進学することはできませんが、刈谷中学への受験は可能です。

刈谷中学については以下の記事を参考にしてください。

【刈谷中学】現在の小学4年生から入学可能!併設型中高一貫教育とは?

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